オホーツクADHD&LD懇話会
ADHD & LD Talk in Okhotsk (ALTO) SINCE 2001.4.28
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「オホーツクADHD&LD懇話会」へのお誘い
ADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)といわれる子どもたちは,「注意が持続せず,落ち着きがなく,突然思いもよらない行動をとる」ことなどから,集団教育になじむことが苦手です.時には学級運営を混乱させ,いわゆる「学級崩壊」の犯人とされたり,その行動特徴から「嘘つき・わがまま」といった印象を持たれたりしています.その原因として,「しつけが悪い」と親が責任を押しつけられたり,「やり方が悪い」と先生が非難されたりしがちでした.
けれども,ADHDは集中力・注意力・衝動性・多動性を自分でコントロールできない発達上の障害で,LDは全般的な知的発達に遅れはないが,聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す障害とされ,いずれも中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されています.
さらに間違った理解や不適切な対応のために生じる,子どもたちの情緒の不安定さや能力の低下,対人関係のトラブルなどの二次的な問題の存在も明らかになってきました.
ところでこうした子どもたちを取り巻く環境はどうでしょう.家族・子どもの深刻な悩みとは裏腹に,教育・保育現場での困惑が「しつけ」「愛情」「性格」を犯人にして,親や子どもを責めてしまうような悲しむべき現実もあります.そうした誤った理解や不適切な対応によってさらに悪化した問題で,子どもも家族もそして関係者も苦しんでいます.
こうした子どもたちの「不幸」の傍らにいる私たちは,識者から障害についての知識を得るだけではなく,子どもと出会う様々な人間それぞれが抱える苦しみを,立場をこえて分かち合いながら,子どもの不幸を取り除いていくことが大切だと考えます.
そのための学習や情報の交換はもとより,疑問や不安をぶつけ,自分の育児や実践に自信を取り戻す.そして,子どもも大人もみんなが元気になれるための場所,参加するみんなが対等な場所,自由に意見を交換できる場所を目指して「オホーツクADHD&LD懇話会」を発足させようではありませんか.
さらに私たちは,こうした「不幸」を抱える子どもたちの名誉を回復し,次には見知らぬ多くの仲間のニーズに,可能な限り応えられるシステムを作る必要があります.こうした社会の枠組みを超えた真剣な論議は,ADHDやLDに限らず軽度発達障害といわれる,いわゆる特別な教育的ニーズを必要とする子どもたちをはじめとする,たくさんの子どもたちへの理解・対応の前進にもつながることでしょう.それはまさに現代社会の要請でもあります.
私たちの願いは,子どもたちがいきいきとした人生を送れるよう,夢を持って育っていけるよう,環境を保障することです.また,これは私たちの責任でもあります.
子どもたちが「生まれてきてよかった」と思い,家族が「この子を授かってよかった」と思い,周りの人々が「この子に出会えてよかった」思えるような社会を築きたいと思っています.
このような趣旨に賛同される様々な立場の方々の参加を募ります.時間と知恵を共有しませんか.
2001年4月
オホーツクADHD&LD懇話会設立発起人一同